葡萄と麦の初聖体拝領メダイ

19世紀末頃のフランスで製作された、カトリックの「初聖体拝領(Première Communion)」を記念するアンティークメダイです。

[詳細]

*製造国:フランス
*製造年代:19世紀末頃(1880〜1900年代頃)
*素材:シルバー800(銀800/1000)
* 装飾:ヴェルメイユ(金鍍金)
*ホールマーク:猪の頭(Tête de sanglier)
* 用途:初聖体拝領(Première Communion)の記念メダイ
*サイズ:縦約39.2mm 横約30.1mm


中央には、聖体の秘跡を象徴する聖杯(カリス)と聖体(ホスチア)が立体的に表現され、その周囲には麦の穂や葡萄が細やかなレリーフで施されています。

銀の静かな輝きの中に、聖杯と聖体を中心とした金色の装飾が浮かび上がる、非常に美しいバイカラーの聖品です。

本品にはフランスの銀製品に用いられた「猪の頭(Tête de sanglier)」のホールマークが確認できます。

猪頭は1838年以降、主にパリで検定された小型銀製品に用いられたフランスの保証刻印で、本品はシルバー800の銀製品です。

意匠や細工の特徴から、製作年代は19世紀末、特に1880〜1900年代頃と考えられる作品です。

聖杯と聖体 ― キリストの体と血

メダイの中央に表されているのは、カトリック信仰において非常に重要な聖杯(カリス)と聖体(ホスチア)です。

聖杯の上には、光を放つように表現された聖体が掲げられています。

これはミサにおける聖体の秘跡(Eucharistia/エウカリスチア)を象徴するもの。

パンと葡萄酒をキリストの体と血としていただく、カトリック信仰の中心的な秘跡を表しています。

麦と葡萄に込められた意味

聖杯の左右を飾る植物にも、深いキリスト教的意味があります。

麦の穂はパン、すなわち「キリストの体」を、
葡萄は葡萄酒、すなわち「キリストの血」を象徴します。

聖杯・聖体・麦・葡萄という組み合わせによって、この小さなメダイ全体に*「聖体の秘跡」が表現されています。

そのため、この意匠は子どもが初めて聖体を受けるカトリックの重要な儀式、初聖体拝領(Première Communion)を記念する品として用いられました。

当時、このようなメダイは初聖体を迎える子どもへ、家族や代父母などから信仰と祝福の証として贈られた記念品でした。

ネオ・ゴシックを思わせる美しい透かし細工

中央の宗教的なレリーフを囲むフレームには、繊細な透かし細工(オープンワーク)が施されています。

繰り返される四葉形のモチーフは、中世ヨーロッパの教会建築やステンドグラスのトレーサリーにも見られるクアトレフォイル(quatrefoil/四葉形を思わせる意匠です。

左右対称に構成された曲線、四葉形、小花、細かな粒状装飾が組み合わされ、19世紀末フランスのネオ・ゴシック的な宗教装飾を感じさせます。

単純な平打ちのメダイとは異なり、中央の立体的なレリーフから外周の細かな透かしまで丁寧に作り込まれた、非常に装飾性の高い作品です。

シルバーとゴールドの美しい対比

本体はシルバー800。

その銀色の地に対して、聖杯や聖体など宗教的に重要な部分にはヴェルメイユによる金色の装飾が施されています。

銀一色ではなく、聖体と聖杯を金色に際立たせることで、作品の中心となる「聖体の秘跡」がより印象的に表現されています。

長い年月を経たアンティークシルバーならではの落ち着いた質感と、残された金色の輝きとの対比も、このメダイならではの魅力です。

裏面について

裏面は装飾を施さず、広い平面が残されています。

この種の初聖体記念メダイでは、ここに受領者の名前やイニシャル、初聖体の日付などを彫刻する例が見られます。

本品はそのスペースが無刻印のまま残されており、100年以上の時を経た現在も、当時の姿を静かに伝えています。

19世紀末のフランスで、ひとりの子どもの大切な信仰の節目を祝うために作られた初聖体のメダイ。

聖杯、聖体、麦、葡萄――それぞれにキリスト教の象徴を宿し、シルバー800の透かし細工とヴェルメイユの輝きによって小さな聖具のように仕立てられています。

ジュエリーとしての美しさだけでなく、当時のフランスの信仰文化と祈りの歴史を今に伝える、趣深いアンティーク聖品です。

※100年以上の年月を経たアンティーク品のため、銀特有の変色や細かな擦れなどがございます。これらも長い年月を経て受け継がれてきたアンティークならではの風合いとしてお楽しみください。
販売価格 40,000円(税3,636円)
型番 Me009

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