薔薇の初聖体メダイ

19世紀末〜20世紀初頭、1890〜1910年代頃のフランス製と推定される、優美な初聖体(Première Communion)記念メダイです。

[商品詳細]
*製造国: フランス
*検定: パリ
*製造年代: 1890〜1910年代頃(19世紀末〜20世紀初頭)
*様式: アール・ヌーヴォー期/ネオ・ロココの影響
*素材: 銀800/1000以上
*ホールマーク: 猪の頭(Tête de sanglier)
*種類: 初聖体(Première Communion)記念メダイ
*モチーフ: カリス、聖体、十字架、薔薇、花、葉
*サイズ: 約26.9 × 24.1mm(カン部分を含む最大寸法)
*裏面: プレーン/個人刻印なし

中央にはカトリックの信仰において重要なカリス(聖杯)と聖体(ホスチア/聖体パン)が描かれ、その周囲を立体的な薔薇や葉、小花、流れるようなスクロールが取り囲んでいます。

約2.7cmという小さなメダイの中に、宗教的な象徴と植物の生命感を巧みに融合させた、非常に細工の密度が高い作品です。

フランス「猪の頭」のホールマーク

本品にはフランスの銀製品に用いられた猪の頭(Tête de sanglier)のホールマークが確認できます。

猪頭は1838年以降、パリで小型銀製品に用いられた保証刻印で、銀純度800/1000以上を示します。

そのため本品は、銀メッキではなく、フランスで銀製品として検定を受けたアンティーク聖品と判断できます。

立体的な薔薇、植物を思わせる有機的な曲線、透かし細工、C字・S字形のスクロールなどの意匠は、19世紀末〜20世紀初頭、特に1890〜1910年代頃の作品に見られる特徴の一つですが、このバラをあしらった丸い形はあまり見かけることのない形です。

ネオ・ロココ的な優雅さを残しながら、自然や植物の曲線を装飾へ取り込んだアール・ヌーヴォー期らしい美しさを感じさせます。

カリスと聖体 ― 初聖体の象徴

中央に表現されている杯はカリス(Chalice/聖杯)、その上に浮かぶ円形のものはホスチア(Host/聖体パン)です。

カトリックの聖体祭儀において、パンと葡萄酒はキリストの体と血に結びつく非常に重要なものです。

そのため「カリス+ホスチア」は、子どもが初めて聖体を拝領する初聖体(Première Communion)を象徴する代表的な図像となり、このようなメダイは人生の大切な信仰上の節目を記念して贈られました。

聖体に刻まれた「十字架」

本品のホスチア中央には十字架が刻まれています。

これはキリストの受難、十字架上の犠牲、贖いと救いを象徴するものです。

聖体が「キリストの体」を示すのに対し、そこに十字架を重ねることで、十字架上で自らを捧げたキリストと聖体との結びつきを視覚的に表しています。

また、古くから聖体パンには十字架などのキリスト教的な印が型押しされてきました。本品も、そうした伝統的な聖体図像を小さな銀のメダイに写したものと考えられます。

十字架を刻んだ聖体の周囲には、細い線による放射状の光(光背)も表現されています。

これは聖体の神聖さ、そして聖体におけるキリストの臨在を強調するものです。

薔薇と花々の意味

本品でもっとも美しい特徴のひとつが、左下からカリスを包み込むように配置された立体的な薔薇と葉です。

キリスト教美術において薔薇は古くから重要な花であり、聖母マリア、愛、純潔、祈りなどさまざまな象徴性を持ってきました。

ただし、本品の薔薇が特定の一つの意味だけを示す訳ではなく、初聖体という祝福の日を彩る花であると同時に、キリスト教美術の伝統を受け継いだ宗教的な植物装飾として見ることができます。

周囲には小さな花々や細い葉も刻まれ、清らかさや祝福を感じさせる構成となっています。

花弁が幾重にも重なる薔薇や細かな葉脈まで立体的に表現されており、中央の宗教図像と装飾部分が一体となった、非常に優美な仕上がりです。

裏面について

裏面は装飾のないプレーンな無地仕上げです。

当時の初聖体記念メダイには、裏面に受領者の名前やイニシャル、初聖体の日付、記念の言葉などを彫刻するものも多く見られました。

本品には個人的な刻印がなく、無地の状態で残されています。経年・使用による細かな擦れや傷には、100年以上の時を経たアンティークならではの歴史を感じられます。

十字架を戴く聖体とカリス、それを包み込むように咲く薔薇。

初聖体という大切な信仰の記憶と、19世紀末フランスの優美な植物装飾が、小さな銀の中に凝縮されたアンティーク聖品です。
販売価格 12,000円(税1,091円)
型番 Me015

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