初聖体メダイ

19世紀末から20世紀初頭、フランスで作られたと考えられる、非常に装飾性の高い初聖体(Première Communion)のアンティークメダイです。


[商品詳細]

*製造国: フランス
*製造年代: 1890〜1910年頃(19世紀末〜20世紀初頭)
*様式: アール・ヌーヴォー期/ネオ・ロココ的装飾
*素材: 銀800/1000以上
*ホールマーク: 猪の頭(Tête de sanglier)
*モチーフ: カリス(聖杯)、聖体(ホスチア)、IHS
*用途: 初聖体記念・カトリック信心用メダイ
*サイズ: 約36.8 × 24.6mm(吊り環を含む最大寸法)
*裏面: 無刻印

中央には、カトリックの信仰において重要な意味を持つカリス(聖杯)と聖体(ホスチア/聖体パン)が立体的に表現されています。

その周囲を取り囲むのは、優雅にうねるスクロール、植物の葉、小花、粒状の装飾を組み合わせた繊細なオープンワーク(透かし細工)。ネオ・ロココ的な優美さを残しながら、アール・ヌーヴォーへと移り変わっていく時代を感じさせる美しい意匠です。

小さなメダイでありながら、まるで聖堂の祭壇を飾る額縁のような華やかさがあります。

フランス「猪の頭」のホールマーク

上部のバチカン(吊り環)には、フランスの銀製品に使用された猪の頭(Tête de sanglier)のホールマークが確認できます。

この刻印は1838年以降、フランスで小型の銀製品に使用された保証刻印で、銀純度800/1000以上を示すものです。

また本品の透かし細工、スクロールや植物文様、カリスの造形は、19世紀末〜20世紀初頭、特に1890〜1910年頃の作品の特徴です。

カリスと聖体が表すもの

中央に描かれているのは、ミサで用いられるカリス(Chalice/聖杯)と、その上に掲げられたホスチア(Host/聖体)です。

カトリックの信仰において、パンと葡萄酒は最後の晩餐に由来し、聖体の秘跡においてキリストの体と血を表します。

そのため「カリス+聖体」は、子どもが初めて聖体を拝領する初聖体(Première Communion)を象徴する代表的な図像となりました。

こうしたメダイは単なる装身具ではなく、人生に一度の大切な初聖体を記念し、その後も信仰とともに身につけたり、大切に保管したりするための信心具として作られたものです。

聖体に刻まれた「IHS」

聖体の中央には、放射状の光に囲まれた「IHS」の文字が刻まれています。

IHSは、イエス・キリストの聖名を表す古いキリストグラム(Christogram)です。

その起源は、ギリシャ語でイエスを意味する「ΙΗΣΟΥΣ(Iēsous)」の冒頭の文字「ΙΗΣ」にあります。

後世にはラテン語の

Iesus Hominum Salvator
「人類の救い主イエス」

という意味にも解釈され、キリストを象徴する聖なるモノグラムとして広く用いられてきました。

さらに本品ではIHSの周囲から光が放射されています。これは聖体の神聖さ、そして聖体におけるキリストの臨在を象徴する表現です。

カリス、聖体、IHS、そして光。

小さな銀のメダイの中に、「聖体の秘跡を通してキリストを受け入れる」という初聖体の意味が凝縮されています。

美しい透かし細工

本品の大きな魅力は、初聖体メダイとしては非常に華やかな外周装飾です。

左右対称に配されたC字・S字形のスクロール、葉、小花、細かな粒状装飾が中央の聖体図像を取り囲み、ひとつの小さな祭壇画のような姿を作り上げています。

中央部分を比較的静かな面として残し、その周囲に立体的な装飾を集中させることで、聖杯と聖体がいっそう印象的に浮かび上がります。

裏面は装飾のないプレーンな仕上げです。当時の初聖体メダイには、裏面に所有者の名前やイニシャル、初聖体の日付などを彫刻するものもありました。本品にはそのような個人刻印がなく、すっきりとした無地の状態で残されています。


100年以上の時を経た銀ならではの表情と、フランスらしい優美な透かし装飾。そして中央に刻まれた、聖体とキリストの聖名「IHS」。

信仰の記念品であると同時に、19世紀末フランスの宗教美術と銀細工の美しさを今に伝える、小さなアンティークです。
販売価格 12,000円(税1,091円)
型番 Me016

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